さて今回のテーマは「土間空間」についてです。
「土間」の魅力や、お住まいに「土間空間」を取り入れる場合の注意点などを
施工事例と共にご紹介します。

◆「土間」とは

「土間」とは、土やコンクリート等の仕上げで
土足のまま利用できる屋内空間のことをいいます。
「土間」と聞くと、古い農家などの日本家屋をイメージされる方もいるかもしれません。

最近では「土間」の良さが改めて見直され、
「土間空間」をうまく取り入れたお住まいが増えています。
「土間」の特集が組まれる美しい住宅雑誌も多く出版されています。

▼関連する住宅雑誌のご紹介（クリックすると外部サイトに遷移します）：
住宅特集 2025年7月号　土間・テラス──境界を溶かす間の場所
住宅特集 2024年7月号　土間・テラス──関わりをつくる間の場所

◆「土間」の魅力とは

【土間の魅力１】

土間の魅力は、何といっても多目的な使い方ができることです。
土足で気軽に室内に入れるので、土間につながるお庭や通路などと
室内を一体的に利用しやすくなります。
靴を脱がずに済むので、ご近所さんなど来客が立ち寄りやすい気軽さがあります。

床の仕上げを土間コンクリートやタイル敷きにすればお掃除しやすく、
ペットとの憩いのスペースや、アウトドア系の趣味のコーナーとしても活用できます。
お気に入りのマウンテンバイクを置いて、お部屋から眺めるのもいいですね。
DIYや道具のお手入れなど、床に傷をつけないように…といった心配もなく
作業に没頭できます。

【土間の魅力２】

また、外部を感じられる屋内空間（緩衝空間）である点も魅力の一つです。
土間空間があることで、強烈な日射や冷気などの外気の影響を和らげてくれます。
外部と内部との関係性が穏やかになり、その中間的な立ち位置が従来にない空間の魅力のひとつになっているのだと思います。

◆和室に土間を取り入れた施工事例

こちらは和室とお庭との間に土間を設けた施工事例です。
陽の差し込む気持ちの良い土間が外部との緩衝空間となっています。
茶室の露地のように心を落ち着けるスペースになっていて、和室の静けさを保っています。
障子を開け放てば明るいお庭が土間を介して見え、柔らかく外部とをつないでくれます。
↓和室に土間を設けた施工例詳細はコチラ

◆「土間」を採用する時の注意点

昔の土間は地面と接しているため、当然冬は寒いです。
リビングと一体となった土間空間とする場合は、土間仕上げ下部に断熱施工が必要です。
可能なら、間仕切りやパーテーション、また床暖房などの暖房対策を施すと、より快適に土間空間を毎日の暮らしに活用できます。

夏場はひんやり冷たく心地よいですが、梅雨の時期や冬場に備えた結露対策も必須です。
換気計画を立て、窓や換気扇を設け通風を確保することが大切です。

また隣家や道路といった立地条件や風向きに応じて、窓の形状や配置、ブラインドの有無等含めてよく検討する必要があります。

◆何の目的で使うか

断熱と換気は機能面での注意点ですが、
一番大切なのは、何の目的で使うかを設計段階でイメージしておくことかもしれません。

使用目的に応じて設計に取り入れるべきことの一例を挙げます。
・水栓や排水溝などの給排水設備
・滑りにくい床仕上げ材の選定
・使用目的に合わせた照明設備
・使用目的に合わせた収納計画

もちろんイメージが具体化していない段階でも問題ありません。
弊社施工事例などを交えてご提案できますので、お気軽にご相談ください。

◆リビング土間の施工事例

こちらは間口全面のテラスと一体化したリビング土間のある平屋の施工事例です。
玄関前のポーチとテラスが一体となり広く活用できます。
土間空間はLDKとつながるリビング土間として利用でき、開口部を開け放てばテラスともつながる大空間が実現します。
↓リビング土間を取り入れた間取り詳細はコチラ

開口部は段差なくフラットにテラスとつながる仕様なので、出入りも楽です。
お庭でのバーベキューやホームパーティーなど、大人数の来客にも対応できますし、
日常的にも、例えば風呂上がりの夕涼みに土間でビールを一杯、
といった利用シーンが目に浮かびますね。
↓リビング土間の施工例詳細はコチラ

◆内土間・外土間を取り入れた間取り

こちらはふたつの土間を取り入れた間取りのご紹介です。
壁で囲われた外土間と、内土間（室内）の開口部を開け放てば、
外からの視線を気にせず陽の光や風を室内に取り入れることができます。
お子さんが小さいうちは、夏場ビニールプールを出して気兼ねなく遊ばせることができます。
ペットとの日光浴も最高ですし、ガーデニングがご趣味の方に向けて、
グリーンであふれるプライベートガーデンとしていただくのが素敵で個人的にお勧めしたいです。

↓内土間・外土間を取り入れた間取り詳細はコチラ